タクシーの運転手さん
- Macoron

- 6月24日
- 読了時間: 3分
子供が大学生の頃、「熱が高くて・・・。」と、仕事中に連絡がきました。
友達が食べ物や飲み物を差し入れしてくれているとのこと。
なんと有り難い。
遠くに住んでいたのもあり、風邪を引いたといっても、すぐに私が行って・・ということはありません。
よっぽどのことがない限り自分でというところですが、なんとなく今回は行ったほうがいいかな・・・と思いました。
夕方、仕事を終えると、急いで自宅に帰って準備をし、タクシーで駅へ。
すると、タクシーの運転手さんから、
「出張?」
と話しかけられました。
「いえ、子供が熱が高いみたいで、連絡してきたので行ってこようと思いまして。」
「何年生?」
「大学4年生です。甘やかしかなとも思ったのですが、なんとなく行った方がいいのかなと思いまして。」
「ああ、それは行ってあげた方がいい。」
「そうですか。」
「もう大きくなってるからと思いがちだけど、実は、社会人になる直前ってすごく大切な時だから。」
「そうなんですね。」
「気をつけて、行っておいでよ~。」
「はい。ありがとうございます。いってきまーす。」
駅までの少しの時間のやりとりでしたが、運転手さんとの会話がとても温かかった。
新幹線に乗って、出発。
運転手さんの言葉がずっと頭の中に残っていて、子供と過ごしてきたこれまでの時間が思い出されました。
そして、駅に到着。何かお店で買って・・・と思いながら改札口に向かっていると、にこにこしながら改札口で元気に手を振る我が子。
「え・・・。何やってんの?寝てなくて大丈夫なの???」
「えへへへ・・・。おかんが来ると思ったら、熱が下がった。」
「ばか・・」
駅前で食材を買って、子供の家へ。
急いでご飯を作ると、嬉しそうに大きな口でパクパク。
「おかわり!」
高熱だったよね・・・確か・・・。
いろいろ話しをしながら、二人でご飯を食べただけなのですが、お互いに気が抜けていくような感覚になっていました。
子供はもう見ているだけでお腹いっぱいになるほど、食べて、
「ごちそうさまでしたー!!」と。
そして、私に仮病だと言われながら、部屋でゴロゴロ、ゴロゴロ。
洗い物をして部屋に戻ると子供はもうすっかり寝てしまっていました。
安心して眠る姿を見て、タクシーの運転手さんがおっしゃっていたことを思い出し、本当にそうだな、来て良かったなあと思いました。
何歳だから、もう大きいからという感覚だけで接することだけが正解ではないのかもしれませんね。
しかし、豪華なものを食べたわけでもなく、何か特別贅沢をしたわけでもなく。
ただ一緒に居て、いつもと変わらない手作りの食事となんでもない会話。
これで病気が治るんですから・・・不思議なものです。笑
こうして、子どもは社会へ、私は子育てを卒業するというお互いの節目に、心を整えるという、いい時間となったのでした。
タクシーの運転手さん、あの時は、ありがとうございました。



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